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新秩序による組織の統治が必要です。
社会が大きく変わる時、新しい秩序ができて安定するまで混乱が続きます。
既存の価値観に疑問をもち新しい価値観が提唱されると、賛同する人が増えることで社会は加速度的に変わり始めます。社会が連鎖的に反応し、認知が広がると同調圧力が働き、学習効果で常識となり価値観として安定していきます。
今、「働き方」が大きく変わり始めています。例えば、社会が変わることで法律が変わり、法律を守ることで社会が変わる。法律は、法治国家である以上社会や産業、企業経営に大きな影響を与える要因です。
社会の変化を統制することは非常に難しい。今日のグローバルな変化は、一国が統制できるレベルではなく、むしろ社会の変化に国の対応が遅れているのが現状です。
国や社会の変化対応は、政治家や官僚、業界団体の役割として、会社は何をすべきでしょうか。
「変化」は統制できないので会社は「対応」するしかありません。会社がすべきことは使命を果たすための事業の維持・拡大です。どのような時代でも一会社がやることは変わりません。
今、会社がすべきことは新秩序をつくり社内を統治することです。
《続く》
これからの時代、会社が苦労するのはガバナンスだ。
この「会社」とは、役員や人事管理の主管部門である人事部門のことをいっています。(職場運営の責任者である管理者も含めましょう)
「ガバナンス」とは、「組織が健全な運営をおこなうために自ら管理・統制すること」で「企業統治」といいます。
これからの時代、企業統治がとても難しくなるので役員、人事部門は苦労します。(直接的に苦労するのは、職場の管理者です。)
企業永続には、将来性ある事業の選択とガバナンスの両方が必要です。事業選択は、その企業の社会的使命や存在理由(企業グループの位置づけや役割など)、創業者の動機なのでコンサルタントなどの外部支援者の必要はほとんどないでしょう。
(新規事業には、一部外部リソースを活用するニーズがあるでしょう。)
ガバナンスに関しては、社内のノウハウには限界があり、第三者の存在が有効です。組織開発系のコンサルタントの活用は特に有効です。
これからの時代(将来性のあるまたは安定的な事業を選択したとして)効率的な事業推進、生産性の向上、社員満足の向上は、重要課題です。
会社は、組織をまとめて目標達成に向かわせる方法を考えねばなりません。
統治の反対は、無秩序です。無秩序とは、「混沌としている状態」です。統治は、「まとめおさめること」。混沌は、「区別なく入り混じっていること」。
今の社会は「混沌」としており、その社会で生活している学生やキャリア採用者が会社に入ってきます。
既存の社員も同様です。将来不安や私生活の課題を抱えており精神的に不安定な社員が多い。これから転職も「普通のこと」で社員の出入りが増え、職場や業務も落ち着きません。
20代の若者から70代の高齢者、男性女性、LGBTQ、外国人、非正規社員、既婚者、独身者などさまざまな人たちで職場が構成されます。
(同じ価値観?話が合う?職場の人は、みんないい人だから働く?)
このような混沌とした会社で、企業統治を成功させるには、どうしたらいいのでしょうか?
《続く》
「働き方改革」以降の会社づくり(1)
「働き方改革」とは、働く人が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択できるようにするための改革です。(出典:「働き方改革関連法案に関するハンドブック」厚労省より)
「働き方改革」は、 「働き方改革法案」によって企業経営に確実に大きな影響を与えます。労務管理の対策は十分ですか。
会社づくりは、法令順守を前提として取組みます。
よい会社とは、「業績が上がっていて、組織が活性化している会社」をいいます。組織開発の分野の定義です。
業績と組織の活性化は、相互に影響を与える要因です。組織が活性化すれば業績が上がり、業績が上がれば組織が活性化する、といった具合です。
しかし、今日の事業環境は「業績が上がる事業」の選択が重要です。そもそも業績が上がる見込みのある事業を手掛けなければ、組織的な努力をしてもよい会社にはなりません。
既存事業に陰りが見え始めた時、新規事業を始めて既存事業の業績まで業容拡大させることはとても難しいことです。
組織開発は、新規事業を見つけたり立ち上げたりするより、改革や活性化のノウハウを使って既存組織の効果性や生産性を高める取り組みを得意にしています。
事業の選択は、経営者の役割です。「うちの会社は、どんな事業をしようか?」その判断と決断が経営者の醍醐味ではないでしょうか。
もちろん、事業や役割が決まっているグループ会社や系列会社は、この限りではありません。
事業目的(やること)が決まっている会社は、組織開発による組織改革、活性化(もっと働きやすくすること)が必須です。
《続く》
会社バケツ理論とは?
“バケツ”とは、会社を器に例えた比喩である。
会社の在り方、会社観は大きく変わった。法律が変わり、働き方が変わり、働く人の意識が変わり、会社と社員の関係も大きく変わった。
60代、50代の経営者ならどういう会社をつくったらよいか、大いに迷うことでしょう。心ある経営者なら社員のためによい会社にしたいと思っている。
しかし、どういう会社がよい会社なのだろう。
仕事がなく生活が苦しい地域の人々に仕事を与え、家族を含めて生活を保証する会社。社員に感謝され、業容の拡大とともに社員は定年まで会社のために一生懸命奉公する。
そんな会社と社員の関係がかつてあった。温情主義に満ちあふれ年令を重ねるとともに収入が増え、遅かれ早かれ出世し、みんな管理職扱いになった。
今、そんなノスタルジー(懐古主義)で会社経営していれば継続は難しいだろう。かつて会社はそういうものだったのだ。そして、現経営者は、かつての経営者や先輩社員からそういう「会社の在り方」を教わり、体験し今は自分が経営者の立場にいる。
しかし、今の社員は会社との一体感は希薄だし同じ会社で一生働こうとは思っていない。「会社というもの」や「働き方」がまったく違うのだ。
会社は“バケツ”のようなものだ。人が入り、人が出ていく。中身(業容)が増えれば器が大きくなり、事業が縮小すれば器を小さくする。事業もどんどん変わるし、社名が変わっても器のラベルが変わるようなものだ。
大事なことは、会社が継続していることだ。会社が続いていれば、また拡大するチャンスもある。大事なことは、調子が悪くなりそうなら早く縮小して身の丈に合った規模に調整して会社を長生きさせることだ。
好調時は、社員が事業を大きくしてくれるが、縮小は社員にはできないので経営者が決断するしかない。
温情主義の経営者は、決断を躊躇するだろう。会社は、所詮“器”なのだ。社員は、割増の退職金を受け取って次の成長が見込める会社で自分と家族のために働いたほうがよいのだ。
今が、会社を変える最大のチャンス!
日銀の利上げの結果、円高株安。マイナス金利政策の解除が現実となり、今後更なる金利引き上げが想定されます。
本来の「金利のある社会」に戻りつつある変化を、どう見ますか。
会社を変える大きなチャンスが来ました。会社は景気がよい時より業績が落ち始めた時こそ、大きく変える機運が高まるのです。
危機感こそ会社を変えるエネルギーとなります。
人材マネジメントの観点から、これからどのような人事管理制度が必要か、どのような人材をどれだけ確保すべきか、人事部門は真剣に考えましょう。
変わるリスクもありますが、変えないリスクはとてつもなく大きいです。
この際に無駄なことは一切排除して、筋肉質の会社に変えましょう。まだ、余裕のある会社は今のうちに早く将来に備えよ!