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研修を依頼する時に注意すること。
社員研修を外部に依頼する場合に、注意することは何か。あなたが、研修担当として話を進めます。
今回は、「課題解決」をテーマに説明します。
階層別・目的別研修で「課題解決」を学ぶことができます。また、各部門や職場に具体的な「課題」がある場合、その「解決」を前提とした研修を実施することができます。
〇階層別・目的別研修で、依頼先の仕様に合った研修を実施する場合。
(1)研修の仕様をはっきりさせよう!
研修を外部に依頼する場合には、初めに研修の「仕様」を決める必要があります。
研修の「仕様」とは、主に①研修の目的 ②研修の成果 ③研修内容 ④実施日 ⑤実施時間 ⑥会場などです。
「仕様」項目の中でも、難しいのは①研修の目的②研修の成果です。自分でプログラムを書く講師が知りたいことは、「なぜ、研修をやることになったのか」「研修によって、どういう結果を望むのか」の二点です。
目的と成果、実施時間で研修プログラムは決まります。研修内容の要望は伺いますが、基本的には講師が考えることです。プログラムが決まれば、研修で使用する教材などが決まります。
目的が研修企画の出発点であり、成果が研修のゴールとなります。この点が、あいまいなまま研修を実施すると次のようなことが起きます。
受講生が、何のための研修かわからず最後まで納得できない。研修担当から研修が終わった後に「イメージと違う!」「この研修でよかったのか?」といった疑問が出ます。
このような研修は失敗です。原因は、事前打合せにあります。
(2)打合せを、しっかりやろう!
研修の目的と成果は、依頼者が決めて依頼先に伝えることですが人材育成や社員教育の知識不足、研修に不慣れな担当者には、難しいことです。
研修会社の場合は営業担当が事前に打合せをします。営業担当がいない独立系や個人事業での場合は、講師と直接打合せをします。
打合せで、目的と成果が確認できれば、営業担当が既存のプログラムから研修を選んだり、担当講師がプログラムをつくります。
営業担当が打合せをしても目的と成果がはっきりしない場合があります。それは営業担当に研修の仕様を明確にする能力が不足しているためです。
目的と成果があいまいなまま、営業担当が講師に研修を依頼すると前述のような失敗研修になってしまいます。(営業担当に不安を感じたら、担当講師との打合せを要求しましょう。)
研修担当者-営業担当者-担当講師のミス・コミュニケーションは、意外と多いものです。
講師が打合せをしたとしても、研修担当が望む研修にならない時もあります。それは講師の経験不足や対応力不足が原因です。
一人の講師に対応できる範囲には限界があります。講師の経験や力量を超えた要望には応えられないということが起こります。
(研修担当の要望とは違う、「自分が慣れている研修」をやってしまう講師もいるので注意が必要です。)
それでも、営業担当も講師も研修を受注しようとします。その結果、研修担当の要望はさておき、研修当日を迎えることになります。
(3)優秀な営業担当、経験豊富な研修講師に依頼しよう!
研修が始まってから途中でプログラムを修正することはほぼ不可能です。研修と講師の両方をよく理解している優秀な営業担当や経験豊富な講師に依頼しましょう。
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研修講師のモチベーションとは、何か。
前回も閲覧者が増えたので、今回も研修講師について書きます。講師の内面についてです。
企業人向けの研修講師が増えているようです。セミナー講師を養成する講座もあります。企業や組織で仕事をしながら、講演活動をしている人もいます。
今や講師業は、人気の職業のようですね。
「人前で話をするのが好き」「カッコいい」「自分のキャリアを活かせる仕事をしたい」「会社員より収入が多そう」「独立して自由に生きていきたい」
それぞれ、講師を目指す動機があるのでしょう。
人気の職業といっても、講師業で生きていくことは簡単ではありません。それは、研修会社に所属しても独立しても同じです。講師が増えれば、供給過多となり競争が激化するのが市場原理というものです。
市場原理といえば、コロナ禍の今の状況が長引けば、職業講師の数は確実に減るはずです。
さて、あなたが研修担当者または受講生ならば、やる気のある講師から学びたいでしょう。講師業に限りませんが、サービスを提供する側がやる気もなく、印象が悪ければ仕事になりません
そんな講師はいないはずですが、打合せや研修でそのような表情や態度が見られたら、依頼はなくなるでしょう。
何が理由か知りませんが、そんな講師は論外なので話題にしません。
講師のモチベーションの源には、3つの欲求があります。その欲求を満たすことが動機付けとなり、寝る間を惜しんで準備をして研修に臨みます。
私の考えでは、『自己顕示欲』『承認欲求』『オーナーシップ(所有欲)』を満たそうと頑張っているのではないでしょうか。
『自己顕示欲』は、多くの人に自分を見せつけたいという気持ちです。セミナーや研修で注目を浴びて、自分の存在や話術、研修進行に注目させ、自分の知識や能力をアピールしたいという欲求です。
『承認欲求』は、多くの人に認められたいという気持ちです。自分の講義や指導を受け入れてもらい、理解、納得、感動、感謝してもらいたいという欲求です。
『オーナーシップ(所有欲)』は、自分が主体となって責任をもって取り組みたいという気持ちです。
自分が開拓した顧客の案件や自分が直接依頼された研修は、「自分を指名してくれた。」「自分を頼ってくれてる。」「自分が何とかしてやる。」とオーナーシップを感じて頑張るものです。
サブ講師や頼まれ仕事、ワンポイントで部分だけを担当する場合は、オーナーシップは感じにくいものです。(だからといって、「手を抜く」という意味ではありません。)
講師によって違いますが、どれも講師業の「やりがい」に繋がるものです。
しかし、『自己顕示欲』、『承認欲求』は、あくまで講師満足。『オーナーシップ(所有欲)』は、顧客満足につながるような気がします。
私の経験からすると、駆け出しは『自己顕示欲』、ある程度経験すると『承認欲求』、実力がついてくると『オーナーシップ(所有欲)』が強くなるように思います。
(全ての欲求を永遠に求める講師もいるかも知れません。講師は、年齢を重ねても若々しくて元気といわれますが、それは欲が強いからでしょうか。)
「今回の講師は、よい講師だったなぁ。」と思われたら、欲求を満たすような「ほめ言葉」を投げかけていただければ、次回はもっとよい研修をしてくれるに違いありません。
《以上》
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研修講師の選び方。
前回の「研修プログラムの選び方」は、閲覧数が増えました。興味のあるテーマだったようです。社員研修業界は、今や多くの事業者がおり一般的に知られていますが、よくわからないことも多いのではないでしょうか。
「研修プログラム」については、また別の機会に書きたいと思いますが、今回は、研修講師について書きます。
研修業界の裏話のようですが、研修担当者や研修会社の若手営業の皆さんには参考になるかも知れません。
注意点を予め申し上げておきます。研修は幅広く奥深いものなので、私が全てを理解して書いているわけではありません。
ブログの内容は、あくまでも私個人の経験や見聞きしてきたうえでの考えと意見です。もちろん、文責は私にありますので異論や抗議は受け付けますし、誠実に対応します。自戒の念を込めて書きます。
私は、人材育成に約30年関わり、独立して20年のキャリアの研修講師です。閲覧者の皆さんは、講師以外の方々がほとんどでしょう。
仮にあなたが研修担当者で講師を選ぶ立場だとしたら、次のことに注意しましょう。
ブログの流れで「管理者対象、課題解決研修」の講師を選ぶとします。研修会社の「パッケージ・プログラム」なら、派遣される講師のプロフィールを事前に確認するぐらいでしょう。
「パッケージ・プログラム」を依頼する場合、プロフィールの内容はほとんど意味はありません。講師は、担当する研修の訓練を受けているので学歴や職歴、性別などで差が出ることは、ほとんどありません。
むしろ、講師経験が重要です。高学歴、有名企業の職歴は、研修講師の力量とは関係ありません。むしろ、担当する研修の実施回数が多く、プログラムに慣れていることが重要です。
営業担当者が信頼できる人物なら、営業担当者が勧める講師を採用することもよいでしょう。人気のある講師は多忙なので、そのような講師をアテンドできる営業は優秀と言えます。
マニュアル化されているとはいえ、研修は生き物なので、その時々で変わるものですし、やはり状況対応も必要です。経験豊富な講師が安心です。
「カスタマイズ・プログラム」の講師は、もう少し慎重さが必要です。自社が望む研修を依頼する場合は、成功すれば現場の課題解決が推進されます。
「あの研修は、意味がなかった。ムダだった。役に立たない。」という声があがるならば失敗です。担当者の評価も下がります。より、シビアな研修と言えます。
したがって、企画提案と打合せが重要です。事前にプロフィールを手に入れたら職歴と実績に「自社または業界」とご縁がある講師か確認しましょう。
必ずしも、業界出身、全く同じケースの実績が不可欠というわけではありませんが、土地勘があるだけでも研修のクオリティは全く違います。しかし、実際に好条件の講師を見つけることは難しいことです。
むしろ、カスタマイズされた研修プログラムと講師の取組み姿勢がポイントです。研修プログラムは、紙に書いたものなので説明を聞かないとよくわかりません。
担当者としては、研修内容をよく理解するために、次の二種類の質問をしましょう。「なぜ?」と「どうなる?」の二つです。
「なぜ、その講義をするんですか?」「この実習は、なぜ必要なのですか?」「この演習をやると受講生は、どうなるんですか?」「研修の結果は、どうなるのですか?」「なぜ、そう言えるのでか?」
それらが、受講生の課題解決に役立つ内容であれば納得して依頼しましょう。企画提案や打合せでは、講師の対応や態度をよく観察しましょう。
誠実かつ丁寧に自信をもって答えてくれれば、よい講師です。詳細な説明ができない講師は、自分でプログラムを書いていません。プログラムの表面をなぞっただけの研修進行をしてるのでしょう。
講師のなかには、担当者が質問をすると怒り出す講師がいるかも知れません。しかし、顧客が、お金を払う商品について知ることは当然のことです。
講師は、「黙って、任せとけ!」と言いたいのかも知れませんが、そんな講師優位の時代ではありません。自分がうまく説明できないから怒り出して、質問させないようにするのです。
もちろん、そんな講師はNGです。講師がベテランだったとしても、遠慮せずに質問しましょう。
さて、大事なことは貴社の社員を育成するために限られた予算で研修を実施するのですから、講師やプログラムに興味をもって納得した上で依頼することです。
よい研修には、受講生満足、担当者満足、講師満足の3つが必要です。
《続く》次回は、研修講師のモチベーションとオーナーシップについて。
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研修プログラムの選び方。
管理者研修には、さまざまなプログラムがあります。ここでは、課題解決をテーマとした研修プログラムについて説明します。
「研修」には、社内スタッフが担当する研修もありますし、現場で作業をしながら技術を習得することも研修といいます。
「課題解決」は、実務を学ぶ研修ではありません。社内に「課題解決」を教えるノウハウがない場合は、専門の講師に依頼します。研修講師は、独立をして講師業をしている人や、研修会社から派遣される講師がいます。
個人の講師でも研修会社でも、それぞれ特長のあるプログラムを用意しています。研修には、「パッケージ・プログラム」と「カスタマイズ・プログラム」がありますので、どちらかを選択します。
「パッケージ・プログラム」は、研修会社の研修を商品として買うイメージです。プログラムも教材もセットされているので、ほとんど変更はできません。講師を中心に研修が進みます。
業界の動向や研修の背景、依頼先の事業や具体的な課題は、プログラムにほとんど反映されません。主に「課題解決のノウハウ」を学ぶための研修です。
平時(いつでも)や教育体系に位置づいた階層別研修には有効です。
「カスタマイズ・プログラム」は、研修の背景に「課題」があり、研修後の「解決」を前提としてプログラムを設計します。したがって、研修後の「課題解決」の準備研修と言えます。進め方は、受講生が中心で研修に「参加」するイメージです。
有事(具体的な課題を解決する)において有効です。
人事部門の場合は、「パッケージ・プログラム」が多く、事業部門の研修は、「カスタマイズ・プログラム」を求めることが多いようです。
昨今の研修事情としては、より具体的で実践的な内容が求められます。あまりにも仕事と乖離した(仕事とほとんど関係ないアカデミックな講義やケース討議や演習など)内容は敬遠されがちです。
「カスタマイズ・プログラム」は、研修の背景や成果、受講生のニーズ、研修後の行動まで講師と詳細に打合せする必要があります。
このような研修は、講師自身の顧客志向性や柔軟性、理解力、学習意欲、プログラム開発力、教材開発力が求められます。
本来、研修講師はとても個性的な職業ですが、「パッケージ・プログラム」は 誰でも研修ができるように、研修内容、タイム・スケジュール、資料などがマニュアル化されています。
誰でも同じように研修をするため、講師との事前打合せの必要はありません。
「カスタマイズ・プログラム」の場合は、講師と面談して率直に要望を伝えましょう。その時の講師の対応を見てから依頼するかどうか、判断しましょう。
《続く》
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能力を開発するための研修。
課題解決に必要な能力は、管理者の能力要件の中でも重要な能力だ。目標達成活動の過程で必要となる能力で、この能力が高い管理者は職場を安定させて期間内に目標を達成することができる。
管理者は、成績・能力・勤務態度の評価要素の中で、成績評価のウェイトが高くなる。職場の課題解決は、実績に大きく影響するため成績評価に直結する能力だ。
会社は、職場が変わっても安定して目標を達成してくれる管理者を信頼し評価する。逆に、職場の課題を解決できない管理者は、職場をまとめられず、実績を上げられないので信頼できず、“交代”の対象とする。
このような“交代”は、会社にとっても部下にとっても、本人にとっても残念な結果だが、健全な組織を維持するために必要な判断だ。
そうならないためには、管理者の課題解決能力が向上すればよい。その方法の一つが「管理者研修」だ。
《続く》
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