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「ベンチマーキング」手法のQ & A ③
Q.3 トップ・セールスの営業法が、本当にわかるんですか?
A.4 わかります。
確かに「売上が上がる営業法」は営業個人のノウハウ(の割合が多い)なので通常は、表に出ないのでわかりません。
日常、トップ・セールスは自分の営業法を他人に教えようとしません。しかし、調査員は自身の営業経験とヒアリング技術、営業活動を整理するツールを活用して的確に情報を収集します。
(調査の現場では、自分の営業法の自慢話をしたい営業、言いたいことがたくさんある購買担当者やお客様が、たくさん話してくれます。)
これまでの調査活動からの「事実」です。優秀な営業へのヒアリングは、上司を通してヒアリングの目的や主旨を説明してもらいます。
優秀な営業は、組織人としても優秀な人材であることが多いです。上司の指示をよく理解し、会社の役に立つのならという意識が働き、とても協力的になるのです。
個人事業主として契約で営業をしている場合は、別です。
内部ヒアリングのポイントは、対象者を複数選抜すること。外部の調査員がヒアリングすることです。
複数選抜の理由は、実績を上げていると言っても完璧な営業はおらず、少ない情報をもとにモデル化することはリスクが高いからです。
複数の営業からよいところをたくさん集めることによって、モレのないより確実な営業法を設計することができるのです。
調査活動は外部人材の活用が大原則です。例え部署が違っていても社内の人に調べられるのは、抵抗があります。お互いに気を使いますし調査を仕事としているプロの調査員とでは、スキルが全く違います。
更に言えば、営業経験のない調査員の調査では、十分な成果が期待できないでしょう。他の調査はともかく、営業経験がない調査員に優秀な営業の調査はできません。
少なくとも、営業経験があり営業研修など指導する立場で、どのような営業法が効果的か「仮説」を立てられる能力がある人材が望ましいと言えるでしょう。
《続く》
オンラインで研修の幅が広がった。
オンライン研修の普及によって、研修の選択肢が増えた。
確かに、この一年で研修が減ったと思う。(あくまでも集合研修に限定した話ね)従来の集合研修を継続している企業もある。オンライン研修で実施している企業もある。そして、中止した企業もある。
中止した企業が多いので、研修全体としては減ったわけだ。研修は「密」になる場面があるし、集合すれば感染の可能性はある。受講生からクレームもあるので、中止する理由はいくらでもある。
それでは、オンラインでやったら?といっても、リモートの環境が整っていないので、できない企業も実際には多い。
全体としては減るよね。しかし、研修スタッフが充実している企業は、着実にオンライン研修に移行している。PCを購入(レンタル)しネット環境を整えて、ホスト役のスキルを習得している。
こちらは、モニター越しに研修進行に集中している。講師がホスト役をやりながら研修進行することは、まだまだ難しい。(研修やりながら通信トラブルの対処は大変だ。)
当初は、研修を実施する側がホスト役を担っていたが、今後は企業側のスタッフの役割になるのではないか。受講生の情報も企業側がもっているし。
講師側は、オンラインに合ったプログラム、テキストの開発、ストレスのないファシリテーションで高品質のサービスを提供する。
オンラインは、受講生が集合する必要がないし、プログラムによっては人数制限がないし、何より「密」を避けられる。初期投資が済めば研修総費用は、相当削減できるのでは。(例えば、受講生の交通費とか宿泊費とか会場費とか)
もちろん、従来の集合研修ならではのメリットはないが、オンライン研修にはまだまだ可能性がある。
結論としては、オンラインは「研修の幅を広げた」とみている。
オンライン研修も、悪くない。
昨年の秋ごろからだろうか。オンライン研修が少しづつ始まり、今では、研修の半分くらいがオンライン・スタイルだ。(METS-cの場合)
受講生と研修会場で対面する集合研修を長くやってきたし、それが当たり前と思っていた。そういう研修を想定していたし、研修技術も磨いた。
まさか、モニター越しに受講生と対面する研修をやるようになるとは。
半年たって思うことは、「オンライン研修も、悪くない。」
当初は、「オンラインで研修が成立するのか」「受講生の反応が読み取れるのか」「みんな寝てしまうのでは?」と否定的なことばかり想定していた。
私自身の研修の特長や持ち味が、「ライブ感」を大事にした臨機応変の研修プログラムで、最後には受講生満足というゴールにたどり着くスタイルだからだ。
でもね、研修は本来自由なのだ。研修内容によってはオンラインでは、お勧めできないプログラムもある。だから、「これから全ての研修をオンラインでいこう」とは思わない。
しかし、実際にやってみて「オンライン研修も、悪くない。」
要は、研修の目的を達成するためにプログラムを工夫し、受講生を満足させることは変わらない。既存の集合研修プログラムをそのままオンラインでやっても、難しいだろう。
プログラムは、研修を進行する講師、研修を販売するベンダー側の問題であって、顧客や受講生が悪いわけではない。
講師やベンダーは、「それは無理です。それでは研修になりません」と言うのだろうか。
教育の世界は、「とても保守的」だ。指導者たるもの「ブレてはいけない」「迷ってはいけない」「自己否定してはいけない」「妥協してはいけない」
指導する側が正しいのだから、自分たちが変わってはいけない。本当にそうなのだろうか。
「変われ、変われ」と言ってきた自分たちは、変われるのだろうか。
「ベンチマーキング」手法のQ(質問) & A(答え) ②
Q.2 うちの営業は、みんな経験が浅いし実績もまだまだですけど?
A.2 大丈夫です。「ベンチマーキング」手法は、取引先調査をおこないます。購買担当者やお客様に直接ヒアリングする調査です。「競合」の実績を上げている評価の高い営業について調べます。
つまり、自社のノウハウが乏しくても競合の情報を加えて「売上が上がる営業法」をつくることができるのです。
経験が浅く実績がまだまだでも営業をしているなら、営業活動の現状(営業のやり方、成功例、失敗例、社内手続きなど)を答えることができるでしょう。
「ベンチマーキング」手法は、内部調査もおこないます。
「ベンチマーキング」手法は、いきなり業界トップを実現する手法ではありません。
「まだまだ」の段階から、業界トップを狙って画期的な営業法を導入しても実践は難しいでしょう。それは現実的ではありません。
内部にモデル(見本)がなくても、競合調査をすることによってモデルをつくることができます。まず、当面の目標を設定して短い期間でレベルを上げるほうが確実です。
そして次の段階を目標設定して、またレベルを上げます。「ベンチマーキング」手法を組織的に習得すれば計画的に成長することができます。
業界のトップ企業の営業部門は、長い時間を掛けて、組織的な努力を続けて営業法をつくり、現在の地位を築いたのです。
しかし、自社の力で成長を続けることは、大変困難です。だから、一時「外部の力」を使ってレベルを上げるのです。
《続く》
「ベンチマーキング」手法のQ(質問) & A(答え) ①
Q.1 うちの営業部門には、見本になるような営業なんていないと思うけど?
A.1 大丈夫です。そもそも世の中に完璧な営業などいません。
しかし、長所や得意技をもった営業は必ずいます。ベンチマーキング手法は、複数の営業の営業法を調査し「いいとこ取り」をすることで「あなたの会社の営業法」をつくります。
大事なことは、「一定期間、安定して売上を上げ続けている」という事実です。
上司も「結果を出してくれればいい」と言うだけで、過程を管理できている上司はほとんどいません。むしろ、「営業個人のノウハウ」という考えで、立ち入らない習慣もあるのです。
(管理者としては失格です。だから、個人ノウハウが組織ノウハウにならないのです。)
「実績」は管理されていますので、記録が残っていますね。営業管理者も本人も、同僚もわかっています。しかし、どのような営業をして実績を上げているか、知りません。
驚くことですが、実績を上げている本人が「何で実績が上がっているか理解していない」ことが多いのです。
「今回は運がよかったです」「日頃の行いが・・」「気合です!」
そんなわけ、ないでしょ。
経験則で、毎日頑張っているだけで、理論的に整理されていないためです。だから、売上が落ちてくると立て直すことが困難になるのです。
説明ができないので、「ノウハウ化」できない。「ノウハウ化」できないから「共有できない」。「共有できない」から組織力が強化されない、ということです。
もったいない話です。だから「外部の力」が必要なのです。
《続く》