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(2)営業の3つの学習法
〇その1 先輩営業から学ぶ方法【職場内教育】
もっとも効果的な学習方法は、経験者から直接指導を受けることです。職場には、経験のある先輩営業がいます。先輩営業から職場で指導を受けることを職場内教育(OJT:オージェイティ)といいます。
先輩営業にも「自分の営業活動」があるので迷惑をかけない範囲で自分から指導をお願いします。先輩は会社から「新人指導」を命じられている場合もありますが、あなたの学ぶ姿勢や教わる態度でOJTの成果は大きく変わります。
会社では(学校と違って)「教えてくれるのが当たり前」ではありません。OJTで教わるべきは「経験者の知恵」と「営業で必要な対応力」です。
パンフレットや資料などに書いてある「知識」をわざわざ聞くのは先輩の時間をムダにします。「こんな時は、どんな準備が必要ですか?」「こんな時は、どう対応されましたか?」「私はこうしようと思いますが、先輩はどう思いますか?」といった 経験や意見を聞くことが効果的です。
あなたは自分で勉強しようとしても最初は何から学べばよいかわからないでしょう。
まず先輩営業に「新人の頃はどのような勉強をされていましたか?」と経験を聞いて参考にしましょう。
もっとも効果的なOJTは、先輩営業にお客さま役になっていただく「商談練習」です。お客さまとの商談は新人営業の大きな課題です。
先輩営業も経験がありますので「お客さま役をやってください」とお願いすれば協力してくれるでしょう。どのような場面を練習したいのか相談して先輩営業の都合を優先しておこないます。
例え5分間でも、毎日繰り返し練習することで「商談能力」は飛躍的に高まります。
OJTでは「態度」も学びます。営業に必要な「態度」は、会社員としての振る舞いや目上の人との接し方、お客さまへの対応、商談の進め方などあらゆる場面で見られます。
この「態度」の良し悪しは自分ではわかりませんので先輩から「注意」してもらい覚えていくものです。
「態度」の良し悪しを判断するのは相手ですから、あなたが「自分は、これでいいんだ」と言ったら成長はありません。先輩から注意されるたびに改善されるものです。(※先輩から注意されても、決していやな顔をしてはいけません)
最後に次のことを覚えておきましょう。先輩営業だって成長の途中です。指導に対して不平不満をいうのは控えましょう。
先輩営業は「よいところ」も「わるいところ」も見せてくれます。「よいところ」は見習い「わるいところ」は「あれは、やってはいけないこと」と学べばよいのです。
これを「反面教師」といいます。
《続く》
〇営業実績=知識×能力×態度
営業という仕事は幅広く奥深いものですから学ぶことはたくさんあります。営業に必要な学習は、知識と能力と態度の3つに整理することができます。
実績を上げている営業は、豊富な知識と高い商談能力、よい態度をバランスよく習得しています。
例えば、知識が豊富でも説明がへたではお客さまに伝わらないのでダメ。知識と能力があっても態度が悪いとお客さまに嫌われてダメ。能力があって態度がよくても知識がなければお客さまの質問に答えられないので、やはり実績は上がりません。(※掛け算をイメージしましょう)
得意不得意はあるかも知れませんが、この3つの要素をバランスよく習得することが営業学習のポイントです。
知識や能力、態度が身についてくれば、自分の成長を感じて「やる気」が続きます。
《続く》
〇営業を学ぶ準備
あなたは、会社に入って営業をするわけですからその会社の営業について学ぶ必要があります。営業を学ぶ準備として次の項目を整理しましょう。
あなたは「誰に(お客さま)」「何を(商品・サービス)」「いくらで(価格)」「どこで(担当地域や取引先)」「どうやって(販売方法・規則)」「何を守って(法律・規則)」売るのか。
会社に入って最初に教育担当者から教わり、上司から指示されることです。これらを理解してできるようになるために学習します。
これらの学習項目を知ることで、早く効率的に営業を覚えることができます。
《続く》
第5章 営業学習の進め方
(1)営業学習とは
〇営業を学ぶ心構え
営業学習とは、あなたが「営業として生活していく」ための学習です。「自分のために自ら学ぶ」強い意志が必要です。学校の勉強のように誰かから“勉強しろ!”といわれてやるものではありません。
学ばない営業は成長しないので、結局仕事が続かなくなってしまいます。ほとんどの営業学習は、実績を上げるために必要な実践的な内容です。
(営業によっては資格取得のために試験勉強をする場合もあります)
最近は会社が用意する営業教育プログラムが充実しています。会社は早く営業を覚えて、実績を上げてもらいたいからです。しかし、どのような教育であってもあなたの実績を保証するものではありません。
教えられた営業のルールを守るのは当然ですが「どうしたら実績が上がるか?」は「現場で考え自分で判断する」ことが必要です。
「教えられたこと」をそのままやったからといって成約できるとは限りません。そのために営業は経験を通して独自のノウハウをつくっていくのです。
営業の結果を会社や教育のせいにしてはいけません。「自分の生活のために、自分で考えて答えを見つける」心構えをもちましょう。
《続く》
≪第4章のまとめ≫
自分自身を管理することは簡単ではありません。しかし、自分の考えで行動し、実績を上げ、自分らしく堂々とふるまいたいなら自己管理をしっかりすべきです。
営業をはじめてしばらくは上司の「指示」にしたがい「実行」を報告し「評価」をもらい「改善」のための指導を受けましょう。
自己管理ができる一人前の営業と認められれば自分でPDCAを回すことが許されます。それでもうまくいかないことがたくさんありますので上司や先輩営業に相談し助言をもらいましょう。
《続く》