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不祥事件の未然防止に掛けるべきコスト。

2018年09月19日

 不祥事件が発覚すると、事業計画にない様々なコストが優先されることは、前回説明した。未然防止の対策がなければ、いずれ現実となる。

 未然防止策には、次のような取り組みとコストの使い方が効果的だ。 

・組織運営の健全度調査費用
・必要最小限の研修費用
・働きやすい制度づくり
・管理部門増員分の人件費

 健全度調査は、3年から5年程度を目安に組織の健康診断として定期的に実施する。現状の健全度が把握できるし、具体的な未然防止策が立てられる。回数を重ねれば健全度の変化率や経営の健全度(実績)との因果関係もわかる。

 組織運営の技術も向上し、不正の抑止効果にもなる。

 必要最小限の研修とは、階層別研修である。昨今は、業務研修や資格取得研修を重視し予算を割り当てる傾向があるが、本来業務は現場で習得すべきであり、資格は自分の能力と時間を活用して取得するものだ。

 社員は、年齢を重ね、成長し、より責任ある立場で働き、収入を増やすことがキャリア開発の基本である。そして会社は優秀なリーダー、管理者を必要としている。

 担当業務ができる人材と組織運営の責任者の要件は同一ではない。組織の健全な発展のためには、階層・等級ごとに人材を育成していく体系と研修を優先させる。

 働きやすい制度づくりを進めるためには、管理部門の増員も必要だ。現在の管理業務のままなら、むしろ人員の縮小が必要かも知れないが、管理部門が組織の健全化や改革を使命とするなら増員が必要だ。


不祥事件発覚による様々な「コスト」

2018年09月17日

 不祥事件により企業が払うコストは大きい。不祥事件前後の定量的な比較データはケースバイケースで複雑なため、ここでは省く。企業が負う様々なコストを項目からイメージしてほしい。

≪不祥事件発覚後の対応と再発防止に掛かるコスト項目≫

・当局への対応と掛かる時間
・マスコミ等への不祥事対応
・関係各位への連絡と謝罪
・管理部門増員分の人件費
・内部調査に掛かる時間と労力
・内部統制強化の時間と労力
・再発防止のための研修費用と時間
・不祥事件後の事業推進に掛かる労力
・職員の士気低下と退職リスク
・不祥事件後の採用費用増
・企業イメージ回復の費用と時間・労力


お知らせ【調査商品を定価の40%offで受託いたします!】

2018年09月16日

 この度は、ご好評いただいております調査商品につきまして、調査形式を限定することで、業務の効率化とコスト削減を実現させ、定価の40%で受託することになりました。

 今回の実質的な価格改定により、高品質な組織調査が実施しやすくなります。既に調査実績のあるお客様には「健全化活動」後の検証調査をお勧めします。

商 品:信用金庫 組織運営の健全度調査(3分野25要素89項目)

費 用:以下の条件において、定価の40%offで受託します。

条 件:(1)調査票によるデータ収集・処理をする場合。

    (2)お客様による調査票の配布、収集を行い、弊社への一括送付の場合。

本件につきましては、弊社までお気軽にお問い合せください。


金融機関の健全度指標

2018年06月24日

 健全度とは、何か。健全度を2つに分けて考える。一つは、「経営の健全度」がある。

 国内の金融機関であれば、自己資本比率が4%以上であれば健全経営といわれる。自己資本比率は経営の結果であり、経営者が最も注目している指標の一つである。

 もう一つは、「組織運営の健全度」である。「組織運営の健全度調査」では設問に対する1~5の回答のうち3,5ポイント以上を健全としている。

 組織運営の健全度は、経営結果の過程を示す指標である。経営は、健全な組織運営によってよい結果が出ていることが望ましい。

 組織運営が不健全で結果が悪いという経営がある。この状態はむしろ正常で、組織運営を健全化することによって結果がよくなるので、分かりやすい。

 組織運営は不健全だが、よい結果が出ていることもある。この状態は異常でかなり無理をしてまたは不正によってよい結果が出ている(に、している)可能性がある。

 組織も人もある程度の対応力や耐久力があるので短期的には耐えられるが、この状態は長くは続かない。いづれ組織も人も耐えられなくなり限界を超えたときに不正が発生する。

 不正の前に健全化に取り組めば未然防止になり、不正が発覚した後なら再発防止に取り組むこととなる。

 どちらの取組みが、低リスク・低コストだろうか。


「攻め」の事業推進と「守り」の健全化

2018年06月23日

 あらゆる市場に競争がある。同業者、新旧事業者、異業種参入者と市場で優位に立ち利益を得るためには競争に勝つ必要がある。同業・新旧の競争はお互いをよく知っているので対応しやすいがいきなり現れる異業種との競争は難しい。

 異業種からの参入者は十分な準備をして参戦してくるので、既存事業者が有利とは限らない。

 今、もっとも大きな脅威は市場環境の変化だ。今日の環境変化はまるでオセロゲームのようだ。一瞬で白黒が逆転する。既存事業者の優位性である信用、実績、技術、設備、商品、販路、権利、資産など無価値になってしまう。

 競争市場で勝ち残るには「攻め」と「守り」の両方が重要だ。既存顧客の維持拡大と新規顧客の開拓は事業推進の基本であり、「攻め」によって成果を得る。この役割は営業店が担っている。最近は、短期的な成果を求める傾向が特徴だ。

 一方、「守り」は獲得した信用の維持増大で、長期間の努力によって市場からの認知を得る。事業推進の成果とも言えるが、本部による積極的な「守り」によって成果を得る。

 積極的な「守り」とは、営業店が健全な事業推進ができるように、本部が組織の環境を整えることだ。この役割は本部が担う。「企業文化」の醸成や「人事施策」、「経営管理」のレベルアップをおこなうことによって、営業店を後方から支援する。

 組織の不詳事件は、これまで守ってきた「信用」を失う。競争におけるマイナス要因であり、営業店の「攻め」の士気は下がり、「防戦一方」の戦いになる。これでは競争には勝てない。

 競争状況で「オウンゴール」をしてはいけない。「失点」が不利であることを理解しているから「隠ぺい」をする。「隠ぺい」は不健全な判断だ。

 組織の健全性が下がると、不祥事件の確率が高まる。

 したがって、「組織の健全性」をコントロールし、不祥事件が起きないように積極的に「守り」を固めるべきだ。「健全性」は何もしないで高まるものではない。むしろ競争が激しくなるほど組織はストレスを感じ「健全性」が低下する。

 「競争」を健全に楽しめる人もいるが、多くの日本人は「争い」を好まず、「戦う」ことに慣れてない。「戦い」のストレスを健全に処理できる能力は高くない。

 したがって、組織は「攻め」と同時に「組織の健全性」を高める積極的な守りが必要だ。 

 不祥事件は、これからも起きる。


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