全ては企画から始まる。クライアントの「マニュアルをつくる理由」を聞き、できること、すべきことを企画にまとめて提案する。いわゆるマニュアル業務を受注するための「営業」だ。
マニュアルを制作する技術があっても案件がなければ宝の持ち腐れだ。新規のマニュアル制作は口頭では決まらないので、必ず企画と見積もりを提出する。営業のできない技術者は多い。実はコンサルタントも研修講師も同様だ。
クライアントは最初から仕様を確定させて依頼するわけではない。つまり営業段階からコンサルティングが始まっている。マニュアル制作は、クライアント側にもコンサルタント側にも「正解」がない。
「正解」がないものを一からつくる作業なので「受け身」の姿勢ではうまくいかない。限られた情報からマニュアルの成果イメージを共有する。もちろんクライアントが望むマニュアルがイメージできなければ発注には至らない。重要なことは、最初の面談でニーズを顕在化させて成果を共有することだ。
「こんなマニュアルが必要ではないですか?」
「そうなんだよね!」
コンサルティング営業は、クライアントの「ニーズが満たされた姿」を、「その場で答えること」が重要である。
営業研修で言っていることを自分でもやる。営業と制作が分担されている場合は、営業が(勝手に)商談で盛り上げて約束したことをコンサルタントに引き継ぐが、コンサルタントが直接受注する場合は、自身が制作の責任を負うので現実的な成果物を共有することになる。
口頭で約束したことを紙に書く。それが企画である。約束したことが企画に書いていなければ不信を生み、企画に書いてあることが実現しなければクレームを生む。
見込みの高い案件は、営業のできるコンサルタントが早くヒアリングを行い、企画提案することで受注確率が高まる。