※本ブログは、船橋商工会議所会報誌「HandShake(2023.3月号)」に寄稿した原稿に加筆したものです。
「ファシリテーターが最もたくさん、話す時」
これまでの会議では、会議主催者、司会者、議長、進行係が中心になって会議を進めるイメージがあるでしょう。その人たちの中には、参加者よりもたくさんしゃべって会議を進める人もいます。
自分が注目されているし、自分が話せば参加者は黙って聞いてくれるし、できるだけ状況を説明したいし、自分の意見もあるし、などなどたくさん話す理由はたくさんあります。
会議が始まる時も会議中も会議が終了する時も、とにかく口数が多く「参加者の意見に一つ一つ丁寧にコメントする」「何か言っていなければ気がすまない」人がいます。
こういった人は、ファシリテーションの本質を理解していない人、経験の浅いファシリテーターです。
経験豊富で優秀なファシリテーターは、会議中にほとんど話しません。1回当たり「一言、二言」のイメージです。
会議全体での「ファシリテーターが話す時間の割合」はとても少ないものです。
会議は、限られた時間でよい結論を出します。ファシリテーターが話す時間が多ければ、その分参加者が話す時間が少なくなります。
参加者は、主催者に敬意を表して主催者の話を黙って聞きますが、ファシリテーターならば、その参加者のよい態度に気持ちよくなって長話をしてはいけません。
ファシリテーターなのに、何でそんなにたくさん話すのか。
一つの理由は、「ファシリテーションの不安」です。人は不安になると多弁になる傾向があります。
「自分の説明が不足しているのでは」「参加者に理解させられないのでは」「反応しないといけないのでは」「理解していることを示さないといけないのでは」「参加者を無視していると思われているのでは」「黙ってると仕事をしていないと思われるのでは」「沈黙はまずい」「このままでは、結論がでないのでは」
ファシリテーターは責任感が強い故に、会議進行に多くの不安を感じるものです。不安を解消するために、何とかしようとして「たくさん話す」ことになるのです。
もう一つは、「自己顕示欲」の表れです。自分が中心となって注目されることが喜びで、自分の能力を認めさせ成果を出したいと考える場合です。
会議の主人公はあくまで「参加者」であり、会議の成果は「参加者の成果」であることを理解しましょう。ファシリテーターは、あくまで「黒子」の役割です。
「会議中」にファシリテーターがあまりしゃべらずに、「参加者中心」で会議時間内でよい結論を出すためには、「冒頭のプレゼンテーション」が最も重要です。
それが、「ファシリテーターが最もたくさん、話す時」です。
この時間だけは、ファシリテーターに注目してもらって、たっぷり時間を掛けて話さなければなりません。
<続く>
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