OJTの基本姿勢として、「率先垂範」の意思を問うている。要は、後輩指導をする上で「指示」や「説明」のみではなく、自ら「やって、見せる」気持ちがあるか、ということである。
できる先輩ができない後輩に対して、見本を示すことが重要であることは理解できる。そのためには、準備が必要だ。どのような実習が有効だろうか。
1)指導すべき後輩を選ぶ。
2)後輩のうまくやれない業務や行動を思い出し、「率先垂範」のテーマを選ぶ。業務だけでなくビジネスマナーや職場のエチケット、接客応対など広範で選ぶ。
3)ワークシートに「率先垂範項目」を書く。
4)そのテーマの自分のレベルを自己評価して書く。(これまでの実績や成果、業務の質、量、他者からの評価)
5)“自分のやり方”を時系列で詳細な進め方を書き出す。
6)準備ができたら、ペアを作り、お互いに説明する。
7)説明が終わったら、相手の質問に対して応答する。
ポイントは、経験者がもつノウハウの「見える化」にある。“できる”けど、“書けない”受講生は多い。“今、書けない”ことは、“説明できていない”はずだ。“質問されれば、答えられるが”、“何を質問したらわからない後輩”も多いので、結局“準備不足の率先垂範”は、効果的ではない。
ペアリングは、業務を知らない別の部署同志の方が都合がよい。“そこから、教えるの?”と思うくらいが、よい準備になる。
最後に、「今回は、一業務の準備をしたが、これからたくさんの率先垂範できるよう、ワークシートを増やそう。」と言う。