「目標による管理」は、1950年代にピーター・F・ドラッカーが提唱して広まったと言われています。
仕事は、「社員の自主性に任せて、主体性を発揮することで結果として大きな成果が得られる」、という人間観、組織観に基づいています。
制度のあちらこちらに、ドラッカーの人間観を見てとれます。価値観には生い立ちやその人の生きた時代背景が影響していると言われています。ドラッカーは、ドイツ系ユダヤ人でナチス党の迫害から逃れ、アメリカに亡命しました。
ドラッカーは、企業経営や組織運営について世界的に多大な影響を与えた人物です。その根底にある考え方が、戦争を背景としたドラッカー自身の体験や人生観に基づいているという点が、大変興味深いですね。
今、日本の第一線で働いている管理者層(50代)は、どのような人生を歩み、どのような価値観をもって生きているのでしょうか。
「目標による管理」の前提となる人間観は、性善説だと言われています。
わかりやすく言うと、性善説は、「社員や部下は、本来自ら設定した目標を達成しようと、主体的に取り組むものだ」
性悪説は、「社員や部下は、本来怠け者で、会社や上司から目標を与えられないと、仕事をしないものだ」
制度を導入した側の会社や運用している管理者の人間観は、どうでしょうか?会社としての方針や意思決定、部下の管理方法などが性善説に基づいていない場合、制度運用はどうなるのでしょうか。
「性悪説」の価値観(とても「性善説」で社員を見れない)の会社や管理者が、「性善説」の仕組みを効果的に、正しく使いこなせるでしょうか。
会社は、大きな矛盾を抱え込むことになります。研修での確認では、管理者の半数以上は「性悪説」に手を上げます。
会社は、「性悪説」で決まり。自分は、部下を「性善説」で見たいけど・・。大きな問題です。
あなたの価値観としては、いかがですか?
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