プログラム設計は、研修の始まりから終わりまでの“流れ”が重要だ。受講生の研修満足は、どのような順番でカリキュラムが進むか、理解、納得していることも条件の一つだ。それが研修に対する安心感につながり教育効果を高める。(それは、オリエンテーションの目的だ。)
そのために、総論から各論へ。抽象的から具体的へ。知識から技術へと構成をつくる。
一般的に『コミュニケーション研修』では、講義やスキル習得の実習場面をイメージするだろう。しかし、スキル習得の前に、“だれとだれが、“何を共有するか”、を明確にしておくことが重要だ。前者の“だれ”とは受講者で、後者の“だれ”はコミュニケーションの相手だ。
対象を特定しない、コミュニケーション学習のプログラムには必要ないが、その分問題解決にならないため教育効果も低い。コミュニケーションの実際には、必ず対象者がいる。受講生は、その相手とのコミュニケーションがうまくいかないから、研修に参加する。
カリキュラムは、“だれと”、“何を”、“いつ”、“どのように”コミュニケーションするのか、という順番になる。
つまり、「上司と部下は、何を共有すべきか?」を考えさせてから、それを「いつ、どのように共有するのか?」と考えさせる。その後、スキル習得を進めた方が納得感がある。
≪続く≫