【研修所感】ファシリテーション研修

 本研修は、管理者やリーダーを対象にリーダーシップの各論を学ぶ研修に位置づけている。

 リーダーシップは、『組織や集団が目標や課題を達成するために関係者の活動によい影響を与えるプロセス』ファシリテーションは、『会議の場で参加者によい影響を与えるプロセス』

 したがって、ファシリテーションは、リーダーシップ行動である。

 ファシリテーションは、「いつ」「どこで」「誰に」「どのように」「どんな影響を与えるか」明確なので学びやすい。

 「会議」は、管理者、リーダーにとって身近なものであり、ほとんどの受講生に経験があるため理解しやすい。

 「会議」には課題や不満も多く、受講生の問題意識が高く集中しやすい。「意見が出ない」「結論が出ない」「一方的な説明に終わる」「ムダな会議が多い」と思っている。

 本研修は、特に女性の評判がよい。受講生の中には、「リーダーシップは難しそう」「人をリードするなんて自分には無理」「自分に自信がない」「注目されたくない」「自分は、声が小さい」「人に意見したり、注意などできない」と思っている人も多い。

 ファシリテーションは、多くの人が思い込んでいる「自ら先頭に立って、手本を示し、メンバーを鼓舞し引っ張っていく」といったリーダーシップ・スタイルではない。

 ファシリテーションは、民主的なリーダーシップで会議進行の知識をもって、主に「質問」「傾聴」「確認・合意形成」のスキルを使って、ゴールを目指す。

 会議の結論は参加者が責任をもち、ファシリテーターは、会議の過程に責任をもつ。

 参加者に対して、意見を言う必要もないし怒鳴ることもない。「気の利いたこと」を言う必要もない。参加者に発言を促し、よく聴き、みんなが会議に参加できるように気配りして、着実に合意形成まで進めていく。

 ファシリテーターがいれば、必ずよい会議になって参加者に喜ばれる。「なんか、いい会議だったね」「時間通りに終わったね」「結構、意見が出たね」「最後は、うまくまとまったね」

 ファシリテーターは、会議中にあまりしゃべらないので目立たないが、静かなリーダーシップを発揮している。

 「これなら、自分にもできる」と思い、やる気になる人は多い。1日の研修では、会議演習を2回おこなう。1回当たり2人のファシリテーター(メイン/サブ)を選出する。6名で会議をおこなう。

 ファシリテーターには、女性もどんどん立候補する。(男性ファシリテーターは、会議をリードしようと頑張ってしゃべりすぎる。もっと参加者を信頼して、意見を引き出そう。) 

 ファシリテーション研修は、リーダーシップの総論を学ぶ研修と違って、実践的で明日の会議から成果が出る研修である。

《以上》

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