カスタマイズ:お客さまのニーズに合わせて仕様変更や開発すること。
人事部門からの研修依頼が増えている。特長は、人事制度に基づいた体系的な研修の実施にある。経営基盤のしっかりした企業や計画的な経営をしている企業は、長期的な人材育成を行う。
社員の成長が事業を成長させると考えている。成長の手段として研修がある。社員の成長は、人事制度で定められた基準を満たす昇進・昇格・昇級で測定できる。毎年、上位の基準を満たす社員がいれば、成長していると言える。
あなたの会社に人事評価制度はあるだろうか。そして正しく運用されているだろうか。あなたは、昇進して、収入を増やすためには、どうしたらよいか、知っているだろうか。
地位は限られるが、昇格・昇級は基準を満たせば可能だ。それによって処遇もよくなる。会社は、レベルの高い社員を望んでいる。だから、多くの社員に昇格・昇級してもらいたい。
本人の努力が前提だが、人事部門が能力開発の支援をしている。会社のためでもあり、社員のためにもなるからだ。目標を達成し、昇格・昇級する社員が増えれば、収益も上がるので、処遇をよくすることもできる。(利益を社員に還元することができる。)
研修を受講して能力が向上すると、人事制度で評価されて昇進・昇級する。すると、会社の収益が上がる。制度と教育の相乗効果だ。
その研修は、どのようなものか。評価基準を満たすための研修だ。最近の傾向は、昇級前研修だ。昇級してからではなく、昇級するための研修だ。
だから、研修の前提は人事制度の資格・等級要件にある。そして、研修プログラムは、資格・等級別プログラムが必要だ。
問題は、自社の資格・等級別の研修プログラムは、買うことができない点だ。教育会社のパッケージ研修では仕様が合わない。例えば、自社の1級から8級までの昇級要件を満たす内容の研修などあるだろうか。(全ての等級で研修を実施する必要はない。)
だとしても、4級・5級・6級などの中核人材の研修は必要だ。研修プログラムを自社開発するしかない。そのためにコンサルタントが、クライアントの等級基準から研修プログラムを設計する。
複数等級で同じテーマが設定されることもある。プログラム内容で難易度の差をつけたり、手法の使い分けも必要だ。一等級の違いぐらいでは、基準もほとんど変わらない場合も多い。
等級別のプログラムの整合性が必要なので、同じコンサルタントに複数のプログラム設計し体系化を依頼する。プログラムを設計したコンサルタントが講師をした方が設計通りの研修を実施できるので、研修依頼も増える。
このケースからいうと、パッケージ・プログラムは採用されない。
パッケージ・プログラム:あらかじめ研修仕様が決められていて、さまざまな学習要素が一つの研修にまとまっている研修プログラムのこと。