キャリア研修の憂鬱 ~もっと、考えよう!~

 キャリア研修は、教えることがない。

 言葉の意味や手法、モデルの解説はするが、受講生の将来は講師が教えることではない。そういう研修なので、講師はできるだけ“自分を知る”材料や“将来を予測する”ツールに注力する。

 キャリア研修は、自分自身の目標設定によって動機づけできるため、会社としては重要な研修だ。自分の目標を持っている社員は、目の前の苦難にも耐えられるし、何事にも前向きに取り組める。キャリアの節目で受講すべき研修だ。

 問題は、自分のキャリアを深く考えられないことだ。SWOTフレームを使うが記述が少ない。①自分の強みは何か②自分の弱みは何か③どのような機会があるか④どのような脅威があるか。

 そこは、講師が教えられるところではない。(普段から、考えていないからか?時間が足りないのか?)自己分析が不十分だと、よいキャリアプランにならない。

 大切な自分のキャリアなんだから、もっと考えよう!(誰かに教わることではないよ。)

 キャリア開発は、会社が主催している以上、現職で働き続けることを前提とする。(転職を伴うキャリア開発は勧めにくい。)ならば、会社は、キャリア開発の仕組みを提示すべきだ。

 SWOT分析の「機会分析」は、会社にキャリア開発の機会があるかが、ポイントになる。どのような制度を活用して自己実現を図るか、どのような評価を得られれば出世するのか、その情報が無ければ、「この会社ではキャリアが描きづらい。」ということになる。

 結局、キャリア研修の目的を達成するためには、担当者との綿密な打ち合わせによって、キャリア実現の機会やリードする方向、落としどころを決めておくことが必要かも知れない。

 一般の公開セミナーのような“自由なキャリア設計”は、制限される。

 

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