チャレンジ目標は、正しいか?

 研修では、情報提供として時事問題を扱うようにしている。受講生が興味をもつテーマや研修に関連することを話すことで、理解を深めたり集中を高めるためだ。

 先週の研修は、目標管理がテーマだったので、東芝の不適切会計問題について話した。当日の新聞レベルの情報だが、“チャレンジ”という言葉が引っ掛かった。

 7/21(水)の日経新聞では、「経営トップが、社内カンパニーに対して、“チャレンジ”と呼ぶ過大な収益目標と損益改善要求を課していた。」その結果、不適切な会計処理をせざる得ない状況に追い込んだ、と書かれている。

 こういったケースでは、非常に短絡的に「チャレンジ」という言葉そのものを否定して、よくないものとして認識されることが多い。「やっぱり、チャレンジ目標はよくない」という風潮になる。

 実際に、記事には、第三者委員会は、「再発防止には、“チャレンジ”の廃止などが必要と指摘。」とある。

 目標管理研修での目標設定は、チャレンジ目標を勧めている。見込みの足し算や従来の延長線上で達成が明らかな目標ではなく、“現状から挑戦することで達成可能な目標を設定する”という意味だ。

 東芝の目標が、“挑戦して達成可能な目標”であったのかは、はわからない。目標設定時点で過大な目標だったのか、期中のマネジメントの失敗が原因かも知れない。予測不可能な災害の影響かも知れない。しかし、決算直前の会計操作で予実績の大きな差を埋めるには限界がある。

 今日の企業経営は、競争をしているので事業を継続させるには、チャレンジ目標の達成は必要条件だ。経営者から一般社員まで目標達成のためにチャレンジすることが重要だ。

 チャレンジすることでモチベーションが高まり、発想の転換や創意工夫で成長することができる。チャレンジしない事業は、成長しないので生き残れない。

 要は、組織の現状をよく理解して、適切な目標を設定することが重要なのだ。目標管理の基本なのだが、有名企業でもできていない。

 これからも弊社の研修では、チャレンジを前提とした適切な目標設定と創意工夫による目標達成活動を勧めていきたい。

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