トップ・リーダーが戦う相手は、自分自身だ。
トップ・リーダーには「メンバーに奉仕するトップ・リーダーとしての自分」と「地位や権威、自身の安全を守ろうとする一人の人間としての自分」がいる。
戦う相手は、「保身を望む自分」である。
「保身」のための判断と決断は、メンバーのためにはならない。メンバーのためではなくリーダー自身のためだからだ。リーダーシップの前提はメンバーの支持であり、メンバーが「保身」と気づいた時点で支持は失われる。
支持を失えばリーダーシップは低下するので、リーダーは地位を失う。結局、トップ・リーダーが「保身」のために活動しても、自分を守ることはできないのだ。
メンバーのために判断し決断すれば、メンバーから支持されるのでリーダーの地位は安定する。
「保身」の気持ちはだれにでもある。しかし、トップ・リーダーは「保身を望む自分」に勝てなければ、リーダーを続けることはできない。
リーダーの能力と与えられた地位や権限はメンバーのために使われてはじめて価値を生む。