リーダー研修が盛況でも、リーダーが育たない理由⑨

■研修での習得が一番難しい「リーダーらしさ」。

 リーダー研修では、リーダーに必要な知識✕技能✕態度を学びます。知識は、リーダーシップの定義やリーダーシップ研究の歴史やリーダーシップ理論などたくさん学ぶことがあります。

 技能は、リーダーシップ各論の技術や方法を実習やロールプレイングで習得します。

 態度は、意識を含めて「リーダーらしさ」を学びますが、最も分かりづらく習得が難しい要素だと思います。そして、多くの人が苦手な要素だと思います。

 受講生の多くは、知識と技能の習得には熱心ですが、「態度」の習得には消極的なように感じます。実は、「リーダーらしく見える」ことが、リーダーにとって、とても重要な要素なのです。

 リーダーは、メンバーから一目置かれる存在ですから、この人は、「何か違うな」と思わせる雰囲気というか、立ち居振る舞いなどの所作がとても重要です。

 リーダーシップの要素は、掛け算です。知識×技能×態度の相乗効果でリーダーシップはパワーアップします。

 リーダーシップ理論を知っていても、使う能力がなければリーダーシップは発揮できません。知識と技能があっても態度が悪くてメンバーから認められなければ、リーダーシップを発揮できません。メンバーから慕われていても、知識と技能がなければ、リーダーシップを発揮できません。

 あなたが、リーダー研修を受講してもリーダーシップを発揮できないとしたら、ある部分だけを学んでいるためかも知れません。

 研修は、「理想」を示して学習効果を高めようとします。その研修でリーダーシップの全ての要素を学ぶかは、プログラム次第です。

 例えば、私の研修では、「リーダーらしさ」を身につけるために次のような実習をおこないます。

 「学ぶは、真似ぶ

 影響力のある人物を想定して、その人の態度を分析して、自分に取り入れる実習です。分析は「メラビアンの法則」をつかって、「外見」「態度」「話し方」「話の内容」で分析していきます。

 必ず、マネできる要素が見つかります。

 人に影響を与える人物は、「歴史上の人物」「有名人」「身近な尊敬できる人物」とブレイクダウンし、要素を具体的にワークシートに書き込んでいきます。

 なぜ、その人物が人を引き付けるのか、魅力を感じるのか、日常では漠然と「かっこいい」「面白い」「あんな人になりたい」と思う人物はいるでしょう。

 しかし、分析まではしない。(どう分析をすればいいか、わからない)

 完璧にコピーして「その人になる」のではありません。あくまでも自分がポジティブに注目されるように、要素を「取り入れる」のです。

 研修の実習なので、簡易的で即効性のある方法を使っています。今日から、あなたが「魅力を感じる人物」の分析を始めましょう。

 「リーダーらしさ」の習得は、実は子供の頃から始まっているのです。

 あなたは、どんな「子供」でしたか?

 ≪続く≫

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