■学生時代の勉強の過程に、ビジネス・リーダーに必要な能力開発がある。
私は、新卒で会社に入社してから30年以上働いています。20年前に独立して大企業から中小企業までの企業人研修の講師をしています。
その経験からいうと、「卒業した学校のレベルが仕事の成果に直接影響を与えている」と感じたことはありません。
就職後は、仕事をするうえで公に出身大学について確認をしたり、何かの理由付けに出身校(〇〇大学出身だから・・・)が話題になることはありません。
(学校で身につけたことが、仕事に直結する職業の場合は、出身校で学ぶ内容によって違いが出るかも知れません。それでも、全体としては組織のやり方が優先されるのであまり関係なくなるでしょう。)
研修の受講態度や取組み姿勢について「違い」を感じることはよくあります。会社ごとの違いでいえば、「受講態度がいいな」「理解が早いな」「自分たちで考えて進められる」「時間を守らない」「また手順を間違えている」「講師の話をきちんと聞けない」と感じることはあります。
個人の学力によって違いが出るというより、その会社や組織の文化や規範が社員の行動に影響を与えていると考えられます。
受験生が学校を選ぶ時、偏差値を基準にすることが多いでしょう。少しでもレベルの高い難関校、有名大学を選びます。
受験事業者の目標は、より多くの難関校に合格させることにあります。その結果によって評価され、宣伝効果となり、より多くの生徒の獲得につながり業績が上がるビジネス・モデルです。
大企業ほど難関校の卒業生を中心に採用する傾向があるようです。元々難関校出身の社員が多いなら、その後輩の採用が容易だとか、同じ学力レベルの社員同士の方が仕事がスムーズに進む、というメリットもありそうです。
また、大手企業は就職希望者が多いので書類審査の段階で出身校による選別をするという事情もあるでしょう。
一方、従来より柔軟な採用方針をとっている個性的な企業もあります。就職希望者の「個性」や「コミュニケーション能力」、「リーダーシップ」などを重視する会社もあります。
(こういった話は、採用担当者や就活事業者の方が詳しいでしょうね。)
私の関心時は次の点です。
難関大学を卒業した。だから仕事ができる。仕事ができるからリーダーになる。その後も順調に出世しビジネス・リーダーになるのか、ということです。
≪続く≫
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株式会社メッツ・コンサルティング 代表取締役 新井 陽二