上司と部下には相性がある、と言われる。気が合うとか、性格が合うとか。基本的な欲求の考え方からすれば、同じ欲求を持つ者同士は、相性がよい。
互いに「承認欲求」が強い場合は、会社や顧客などから認めらたいという欲求で一致する。「成長欲求」が強い場合は、学ぶ努力を互いを認め合う。
「俺たち、気が合うなぁ」「上司の考え方をよく理解する、優秀な部下だ」と評価する。
一方、「達成欲求」の不一致の場合は、欲求が低い部下を、上司は「全くやる気がない!」と言う。「競争欲求」の不一致の場合は、競争を避ける部下を、上司は「ダメな奴だ!」と決めつける。
人は欲求の相性で「合う」「合わない」、「好き」「嫌い」と判断する。お互いの欲求が違うだけで、人間関係が変わる。
大事なことは、お互いの欲求の違いを認め合い、お互いの立場で何をすべきか「行動」を話し合うことだ。仕事は欲求で成立するのではなく、言動で成立する。状況にふさわしい言動が成果を生む。むしろ、実際には欲求を抑えたり自分の欲求に反する言動を求められることが多い。
上司と部下のお互いを尊重した快適な人間関係をつくるためには、“仕事の成果を上げる行動”に注目すべきだ。
≪続く≫