あなたが、きちんと状況を説明したら上司は、「状況は、よくわかった」となる。上司は、あなたの説明によって状況を理解してくれたので、しっかりコミュニケーションができている。
次に上司は、「それで?」と言ってくる。ここからが、相談の始まりだ。あなたは、状況を説明したのだから、すぐに助言や指示がもらえると思うだろうか。
あなたの状況説明が緊急事態であれば、上司はすぐに指示を出すだろう。しかし、そうでなければ、あなたが「質問」しないかぎり上司は、意見も助言も指示も出さない。
(5)質問をする。上司から意見や助言を引き出すために質問しよう。
上司への質問は、基本的な手順なので準備をしておけば大丈夫。質問の形式には、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンがある。どちらかを選ぼう。
自分が何をしたらよいか、全くアイデアがない場合は、「この状況で、私はどうしたらよいですか?」。これが、オープン・クエスチョンの例だ。
上司にすべてを委ねて、上司の意見や助言を得るための質問だ。
準備の段階で、いくつかの意見を考えている場合は、「私は、こうしようと考えていますが、課長は、どう思いますか?」「A案とB案で迷っているのですが、アドバイスをいただけますか?」といったクローズド・クエスチョンを使おう。
自ら選択肢を示すことによって、相談者から意見や助言を引き出す質問だ。
オープン・クエスチョンは、あなたにとって簡単な相談の仕方だが、上司から即答で指示を得られるとは限らない。状況を説明しているとはいえ、上司が正解の指示を即答することは難しいことなのだ。
あなたが、上司に対してオープン・クエスチョンを使うということは、「自分で考えられない部下」と思われる可能性があるので注意しよう。
クローズド・クエスチョンは、上司としては意見や助言をしやすい。しかし、それが最適解ではないかも知れない。上司は、あくまでもあなたの選択肢の中での意見や助言をしているからだ。「どちらかと言えば、B案だな。」
クローズド・クエスチョンでは、「それもよいが、こうしてみたらどうだ?」と別の切り口から助言をもらえることもある。
クローズド・クエスチョンは、あなたの意見を元に上司の意見を加えて、話し合いができるので、コミュニケーションとしては、より効果的と言える。
《続く》次回は、(6)傾聴する。「傾聴力」を使おう。
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