これまで、近寄り難く、怖そうに見えた上司があなたのために、親身になって助言をしてくれる。
それは、あなたが「状況説明」「質問」「傾聴」という、相談の手順を守っているからだ。
もちろん、上司によって意見や助言の内容は違うし、「言い方」は、いろいろだ。それは、上司の判断や個性なので否定すべきではない。(ここで上司を嫌ったら、これまでの学習の意味がなくなる。)
自分が望む助言でないから受け入れない、という考えは間違っている。
上司に限らず、人の意見や助言は、あくまでも参考であって自分の判断を助けてくれたり、考えを整理するものなので、どのような意見や助言であっても、役立つものと考えよう。
それでもあなたが不満なら、あなたが求めているものは、意見や助言ではなく「指示」なのだろう。要は、あなたは、「どうしたらよいのか」の答えを求めている。(または、自分の考えと同じ考えを相手に求めている。)
それならば、最初から「指示してください」と言うべきだ。上司は、「相談」と言われたので、意見や助言をしたまでだ。
「相談」と「指示」は全く違う。「相談」は、意見や助言を参考に、あなたが意思決定する。「指示」は、上司が決定しあなたが従う。
相談している間に、上司から指示されることもある。上司を混乱させぬように、準備の段階で決めておこう。
さて、上司から意見や助言をもらったら、判断する前によく理解しよう。そのために、(7)確認する。「理解力」を使おう。
「確認」とは、はっきりと認めることなので、「意見」や「助言」のあいまいな点や疑問点を「質問」によってはっきりさせる。
「相談」に対する上司の「意見」や「助言」は、あなたにとっての「問題解決」のヒントや解決方法なので、次の点を質問して確認する。
「なぜ」、そうすべきなのか。そのために「どうしたら」いいのか。「なぜ」は、理由を確認する質問であり、「どうしたら」は、具体的な方法を確認する質問だ。
「なぜ、そうすべきとお考えなのですか?」「そうすると、どんな結果が出るのですか?」「例えば、どんなやり方がありますか?」「どんな点に注意すべきですか?」
「なぜ」「どうしたら」の2点を確認することで、より理解が進み判断しやすくなる。「問題解決策」は、そうすべき理由が明確で、現実的で具体的な方法でなければ実行できない。
この2点の質問によって、あなたがよく理解したうえで決定すればよいし、参考程度の理解であっても、自分で更に考えて決定すればよい。
実際には、「この方向で考えてみたら、どうか」「〇〇を調べてみたら、どうか」「具体的な方法は、自分で考えろ」など、おおまかなことを言われることもある。
そうであっても、「なぜ」「どうしたら」の質問を使ってみよう。有益な情報が得られるかも知れない。
相談の最後には、「お忙しいところ、相談にのっていただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。」と言って締めくくろう。
《続く》次回は、まとめ編。
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