上手に使われたい専門家。

 心ある専門家は自分の専門領域を熟知しているし、できるだけ人の役に立ちたいと思っている。一方、専門分野を長く研究し自説を確立する努力をしている分プライドも高い。

 “厳密に言えば専門外”のことを問われても「知りません」とか「わかりません」とは、ほとんど言わない。専門以外の一般知識もあるわけだから「一般的な答え」も言えるわけだ。

 「一般的な答え」も専門家が言ったら「専門家の意見」ということで特別な価値をもってしまう。「価値ある情報」は独り歩きして、勝手に影響力をもってしまう。

 何と言っても、「専門家」が言ったことだ。

 「それを、私に聞く?」そんな質問にも一生懸命に答えるのが専門家の性だ。

 心ある専門家が悪いのではない。専門家の活用法を知らない人たちが悪い。一体、専門家をどう利用しようとしているのか、何を言わせようとしているのか。

 重大な政策の意思決定を迫られたくはないし、責任を負いたくないのだ。それは専門家の役割ではない。

 専門家は「自分をもっとうまく使ってほしい」と思っている。専門領域で十分活用してもらい、世のため人のために立ちたいと思っている。

 トップ・リーダーが意図をもって専門家を利用しようとする時、その背景には、何があるのだろうか。「専門家の意見をよく聞く」というが、それはどういう意味なのだろうか。

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