実績を上げるために、どうするか。新商品を開発する。新しい制度や仕組みをつくる。どれも、コンサルティングのテーマです。変化と競争の時代は、新しいことを始めなければ、成果を上げることはできません。それは、現場の取組みだと、教育担当者は言うかもしれませんが、人が係わる以上は教育のテーマでもあります。
コンサルティングが成功しない理由の一つは、開発段階ではプロジェクト・メンバーの、運用段階では、全社員の基本的な組織行動の欠如です。計画的に仕事を進め、報告・連絡・相談を行い、粘り強く、結果を出すために頑張ることができません。
基本的な組織行動は、新入社員研修で学ぶことです。決してレベルの高い学習項目ではありません。ルーティンワークで成果を上げられない組織や職場が、新しいことを成功させることはできません。未経験のことは日常的なことより、もっと難しいのですから。
教育担当者は、現場のニーズから企画することを重視しているようですが、教育ニーズは、現場のニーズだけではありません。日頃から、経営方針の徹底や当たり前のことを当たり前にやる組織をつくっておくことが重要で、全社的な最優先ニーズです。現場のニーズは、現場で解決させるべきです。OJTの時間がないというのは、管理者の言い訳にすぎません。また、SD(自己啓発)で、自分の能力を開発する力をつけさせなければ、本人のためには、なりません。
最近は、若い社員が、“全てを会社が準備して、教えてくれるもの”と、勘違いしている傾向があります。事業の部分を担う人材に、成果を上げる環境を整備するための業務教育は、それで結構ですが、正社員を経営幹部に育てようという教育は、また別です。
人事部門が、上司に代わって部下指導をすることは不可能です。(現場の間違ったげ教育ニーズであり、現場への迎合です。)教育担当者は、組織の品質向上と中長期の人材育成に責任をもつべきです。