コロナ・ショックは、多くのことを教えてくれる。
今、気をつけることは、「不正に関与しない」ことだ。
仕事を続けるには、信用が不可欠だ。不正をした者は信用されないので、「不正の関与」はキャリアの大きな脅威だ。「不正」をしたら、今の収入も途絶えるし、先の収入確保も難しくなる。
今、「不正」を持ち出す理由は、コロナ過では「不正」の条件が整いやすいからだ。
不正が実行される条件は、ドナルド・R・クレッシーの「不正のトライアングル理論」が参考になる。
不正のトライアングル理論とは、米国の犯罪学者、D.Rクレッシーが、横領を題材に行った実証研究により導き出した仮説だ。
不正の発生=動機×機会×正当化
社員に不正の「動機」があり、職場や業務に不正の「機会」があり、不正を「正当化」した時に不正が発生する。
コロナ・ショックによるストレスの発散、収入減は不正の「動機」になる。急激な組織の変革は職場を混乱させ、マネジメント不在を招き不正の「機会」をつくる。強い不安やストレス、同調意識は正しい判断ができず、不正を「正当化」してしまう。
こうして通常は健全な社員であっても、コロナ過で「不健全化」し、不正に関与してしまう。人は、「健全」と「不健全」の間を行ったり来たりしながら生きており、「不健全」の先に不正行為がある。
したがって、今の自分が「健全」と「不健全」の間のどこにいるのか、理解することが重要だ。「不健全」に寄っているなら、早く気づいて「健全」に戻せばよい。
自分ではよくわからないので、周りの人に「聞く」ことも効果的な方法だ。「最近、何か、おかしいところある?」「変なこと、言っていない?」などざっくばらんに人と話し合うことで、気づくこともある。
自分のキャリアや周りの人を守るために、「不正の関与」に敏感になろう。