営業研修の目的は、実績向上にある。営業実績の主な指標は売上である。会社は売上を上げるために営業担当を採用しており、売上向上に必要な能力の開発が営業研修の目標となる。
営業担当には、各自に適切な売上目標が設定され、その目標達成に必要な能力を優先的に身につける。
しかし、営業担当に必要な能力は多岐にわたっており能力の習得も時間と経験が必要なので教育体系をつくり集合研修と職場内訓練、自己啓発を組み合わせて中長期的に能力開発する。
さて、会社として売上を上げるには二大要件がある。それは「商品力」と「人間力」。「商品力」は、商品やサービスの特性であり競合優位性が高ければ実績が上がりやすい。
「商品力」は、マーケティング担当や開発担当、バイヤーの役割であり営業担当は顧客ニーズの情報提供で貢献する。
商品やサービスが突出して優れており差別化が図れれば「人間力」はそれほど求められず、広告宣伝による告知やネット・通信などの販売形態が有効だ。
商品やサービスの差別化が難しく、競争が厳しいなら営業担当の「人間力」が競争優位を決める。
「人間力」は、顧客とのコミュニケーションを図り購買欲求を高め納得を得た上で成約するための総合能力であり、営業の役割としては代金回収やアフターフォローを含む場合もある。
「人間力」に含まれる能力は多岐にわたっており、個人差が大きく能力開発の余地が相当ある。最近では、特に顧客とのコミュニケーションを苦手とする若手営業担当は多い。
営業担当者の能力開発は、この「人間力」の向上をねらいとしている。
研修は、商品や実務に精通した社内講師と様々な能力開発を専門とした外部講師を併用すると効果的である。
内部講師と外部講師では、専門や得意分野が違うため目的、目標、成果を明確にした上で企画・実施することが望ましい。
≪続く≫