インタビューでは、相手が話すことを正面からしっかり受け止める姿勢が基本ですが、調査の実際では、常に本当のことを話してくれるとは限りません。調査の目的は、現状を把握すると共に問題点を発見することでもありますので、相手からしたら話したくないことも多いです。
自分に不利益が生じるのではないか。誰かに迷惑が掛かるのではないか。また、故意に迷惑を掛けることも可能です。(もちろん、自分の成果やノウハウを、ここぞとばかり披露してくれる人も多いです。)
従って、誰がインタビューをするのかが、重要です。利害関係のある内部の人間よりは、初対面でも外部コンサルタントの方が適していると言えます。
それでも、できるだけ信頼を得られるように事前に、調査の目的や趣旨を文書で伝えてもらったり、コンサルタント自身が口頭で話したりします。
インタビューの内容は、ICレコーダーや筆記によって記録します。本人が語った“事実”は、そのまま基礎データとして報告します。しかし、データ分析、所見、提案は、基礎データをそのまま“鵜呑み”にするわけにはいきません。本人が語ったという“事実”と実際の出来事が事実であるかは、別ものです。人は、自分の視点で物事を見て、自分なりの解釈をして、人に伝えます。つまり、聞く側が、それが“事実”であるのか、“推測”であるのか、本人の“断定”であるのか聞き分ける能力が必要です。本人自身が、誤った判断をしていることも多々あります。
アンケートでは、記述している本人の認知データが取れますが、インタビューでは、“裏取り”ができます。そのためにも、インタビュアーには、“質問のスキル”“確認のスキル”“判断のスキル”が求められます。