これからのマネジャーの指導法は、コーチングとカウンセリングが中心となる。
競争が激しい市場で優位に立つには、大量の業務をスピーディに高品質の処理をしなければならない。業務遂行を担当するメンバーには専門性が求められ、スペシャリスト化が進む。
マネジャーが専門業務を、率先垂範やティーチングで指導することは難しい。マネジャーの実務経験と現在の業務に差異があるためだ。また、現場の業務は常に進歩しておりマネジャーが全てを把握し、指導することは不可能だ。
現場の実務指導は、一階層下位のリーダーの役割になる。新しい時代のマネジャーの役割において実務指導の優先順位は高くない。
これまで管理者の役割であった実務指導は、コーチングによる支援に代わる。コーチングを成功させる重要な能力は、状況理解力と判断力と決断力である。
マネジャーの支援は、スペシャリストの話を聴き、状況を理解し、スペシャリストに考えさせ、スペシャリストの提案を判断し、実施を決断する、ことになる。
マネジャーは権限を行使して、メンバーの業務を承認する。その遂行責任はメンバーにあり、結果責任はマネジャーにある点は、従来と変わらない。
コーチングのスキルを習得すれば、実務経験がなくとも、あらゆる職場でメンバーを効果的に支援することができる。どうすれば成果が上がるか、“答え”は、スペシャリスト自身がもっている。