研修の目的は、知識習得、能力開発、行動変容にある。研修後に調査を行い、効果を判断する方法はある。しかし、実際には現場の負担が大きい上に、業務に直接関係しない研修も多く、どの程度の期間で、何を効果とすべきか、不明確なことが多い。
一方、人事評価は、年1回から2回は必ず行われる。評価項目は、主に実績、能力、勤務態度と決まっている。尚且つ、人事評価では対象者(資格・等級別・職能別)ごとに、評価要素、着眼点などの基準が明確に示されている。研修の効果は、受講生の評価で測定することができる。一次評価の研修前と研修後の評価を比較して、点数が上がっていれば、その受講生にとって効果があったと言える。平均値を取れば、研修全体の効果測定ができる。
ポイントは、受講生の評価要素から研修を企画する点にある。対象者全体の評価結果を調べてどの評価要素を高める必要があるのか判断し、研修の目標観とする。そして、直属の上司に研修の内容と該当する評価要素を伝えておくことが重要だ。
評価基準は、その対象者に求める実績、能力、勤務態度を示しているので、評価基準を満たさない研修には意味がない。受講生は、評価の対象になっていない研修内容には疑問を感じるし、受講する意味が理解できないので、主体的にはなれない。(受験科目にない授業に集中しない受験生と同様の理由だ。また、研修の学びを実践しても評価の対象外であれば、評価されないのでモチベーションは下がる。≪次回に続く≫