評価されることによって、人はやる気を高める。低い評価であっても、その評価に納得できれば、やる気は高まるものだ。
評価は、制度がなくとも行うことができる。最も簡単なわかりやすい評価の方法は、“ほめる”、“注意する”だ。“ほめる”ということは、良い評価をしたということだ。“注意する”ということは悪い評価をしたので改めてほしい、ということだ。
ほめられたことは、繰り返す。注意されたことは、やらないようになる。
どちらも一言ですみ、相手に伝わりやすい評価方法だ。筋道の通った説明があれば、尚更納得できる。みんなわかっているが、意外と使われていない方法だ。制度設計する手間も費用もいらない。
大事なことは、評価する側が、基準をもっているかどうかだ。同じことをしても、評価をしたりしなかったりでは、相手は混乱する。その時の気分で評価されても困る。評価者は、“ほめる”“注意する”の基準をもっているだろうか。一貫性があるだろうか。
評価者に自信がないなら、制度に従うべきだ。制度を設計して、制度に基づいて評価が高いならほめる。低い評価なら、注意する。こちらの方が、公平で高品質な評価ができる。
評価制度は、人の能力向上とモチベーションを高める仕組みだ。しかし、あまり仕組みに頼るのも人の集まりとして味気ない。制度を導入すれば、期末には評価の機会があり処遇に反映されるので、せめて“ほめる”“注意する”は、評価者の主体性に委ねて日常的に行いたい。
思い切りほめて、注意して、被評価者を動かしてほしい。以上