インストラクションには、何より“準備”が重要だ。研修講師は、受講生の前に立ち、スケジュール通りに研修を終え、研修目標の達成に責任をもつ。
人前でうまく話ができないなど、インストラクションの技術以前の問題だ。経験がないとか、恥ずかしいとか、話術がないなど、理由は様々あるが全ては準備次第でどうにでもなる。
初級インストラクター研修では、何度も“準備の重要性”を説いた。インストラクターの恐怖も研修時間の管理も、実習の正しい提示も、手順・手続きも、全て準備を整えていれば、うまくいく。
研修準備のために徹夜できるだろうか。不安ならば、自分の体調よりも手順を繰り返し確認して自信をもって受講生の前に立つ。新人インストラクターなら当たり前の行動だ。
インストラクター研修では、トレーニングだけでなく、各グループで一人、インストラクターとして実習のインストラクションを担当してもらった。90分程度の新人向け「コミュニケーション実習」を用意した。
手順書を用意したが、短い準備でインストラクションを進めることは容易ではない。充分な実習効果は望めず、予定時間はオーバーする。
インストラクター役に感想を発表してもらった。「インストラクションは、本当に準備が重要です。」それを、わかって頂ければ本望です。講師がいくら言っても、体験しなければ実感はないでしょう。
全員が、インストラクター役をする時間はなかったが、メンバー役もその様子を見て感じたはずだ。“自分が、インストラクターをやる時は、しっかり準備をしよう”、と。