営業研修の実際は、受講生である営業担当のニーズに応える内容が望ましい。自分の「現在、うまくいっていないこと」が研修によって解決できることが受講生満足を高めることになる。
「現在、うまくいっていないこと」は、本人に聞いてみないとわからないので「事前課題」を提出してもらい研修プログラムに反映させる。
「うまくいっていない」理由には、販売している「商品」に関する不満が多い。営業活動を数年経験し、自社商品、競合商品を理解し始めたころの若手営業の事前課題に出てくる。
このことから営業の役割を理解していないという「教育課題」がわかる。
営業が売上を上げるには、「売れる商品」を売ればよい。「売れない商品」だから売れない、という論理は他責であり営業の役割放棄だ。
会社としては売れる商品の開発や仕入れを課題として取り組んでおり、営業は既存商品の販売を役割として注力すべきである。
仮に商品力のみ実績が上がるなら人件費の高い営業担当は不用となる。その分、売値を下げてネット・通信販売を選択した方が効率がよい。
市場が成熟してくると商品力の差はほとんどなくなる。改善された新商品や類似商品が出廻るからである。他社と同等の商品であるなら「人間力」が競争優位の決め手となる。
市場は常に変化しているので、会社は常に「人間力=営業担当者の能力」の向上に努め、備える必要がある。営業担当としてキャリアを積むのであれば自ら能力開発に努める必要がある。
営業実績=商品力×人間力の講義は、営業担当に自責の意識を持たせ自分自身の能力開発の動機付けを図るために効果がある。