「あなたには、どんな権限がありますか?」
新任管理者研修で、よくする質問だ。みんな、「シーン」。それでも、指名して答えてもらうと、「自分には、権限などない。」「すべて部長が決めている。」
まず、「権限規定」を確認しよう。規定がなかったとしても、管理者には必ず権限が与えられている。
管理者になったのに、自分に与えられた「権限」を知らない。それでは、管理者の仕事は十分にできないだろう。管理者として「やりがい」がもてないし、自信ももてない。
職場の責任者には、「意思決定する権限」がある。もっとたくさんあるが、あえて一つだけ重要な権限を挙げるとすれば、「自分が管理している範囲で、ものごとを決める権限」が与えられている。
管理者には、意思決定の「権限」が与えられているが、結果に対する「責任」が同時にあることを忘れてはならない。
部下は、上司の指示に従う「義務」がある。部下がおこなった仕事の「結果」は、上司のあなたに「責任」がある。
(「部下がやったことなのに、何で自分が責任を取るんだ?」って、本気で思っている管理者は、研修受けてね。)
意思決定の権限は、「自分が責任をもつ範囲」という限定付きで、管理者自ら決める権利だ。自分の決定が人の言動に影響を与え、統制することができる。
私生活で、どれだけの人を「言う通り」に動かすことができるだろうか?
組織では、役職、立場、役割に権限が与えられる。組織活動の興味深いルールだ。当然、役職や役割を解かれれば、その権限を失う。
人は、権限をもち続けたくて役職や立場にこだわる。権限を失いたくないから、失敗を恐れ、保身するようになり不正までする。それほど「権限(権力)」に魅力があるのだろうか。
権限は、社会や組織の維持・発展に必要なものであって、悪ではない。しかし「権限の有効な使い方教育」を怠ると悪影響を及ぼす。
権限の間違った使い方も問題だが、与えられた「権限」を使わない管理者も問題だ。「意思決定」の権限が与えられているのに「意思決定」すべき時に、「意思決定」しない。
つまり、「決められない」上司だ。上司が決めないと、部下が動けない。「意思決定」は、能力(決断力)なので「訓練」によって開発できる。
「決断力」=目標達成するために、数ある代替案の中から有効な案を選び決定、実施する能力。
「権限」は、使わなければ意味がない。会社、職場のために、自分に与えられた権限をしっかり使って成果を出そう。
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