研修担当者の苦悩。

 この1年は、研修担当者にとって悩ましい1年だったろう。研修の多くは年間計画で実施している。

 教育体系ができていれば、多少の見直しがあったとしても研修業務はルーティン化した業務だ。信頼のおける講師を使っていれば、「お任せ」で済む場合も多い。

 しかし、計画していた研修を中止したり、オンラインに移行したりすると、これまでに経験したことがない対応をせざるを得ない。

(こんな状況は、初めてでしょ。一時的に景気が悪くなって研修予算が削減されたことはあったが、今回は比較にならない。)

 研修会社も講師も受注が減って大変だが、研修担当者も大変だ。大変な中でも最もリスクが低く安全確実な判断は、「研修の中止」だ。

 「研修中止」の連絡の心理的なストレスさえ我慢すれば、研修による「コロナ感染」の心配もないし、担当者として責任を問われることもない。

 研修を中止した場合、担当者の目標管理はどうなるのか。実績がないので成績評価が心配だ。(不測の事態ということで考慮されるのだろうか。それもそうだが、社員の教育を受ける権利はどう考えるのか?)

 オンライン研修の移行は、そもそも「新しいことをやる」意思決定が必要だし、研修環境の整備が必要だし、新たな予算申請が必要だし、不慣れな事務局対応もあり(例えば、ZOOMやチームスの運用技術の習得など)「失敗する」リスクが相当ある。

 思ったより「集合研修」をやる企業もあるんだよね。(もちろん、感染防止をしっかりやって)

 「中止」「オンライン」「集合」と判断が分かれるところが興味深い。そして研修担当者の苦悩は、まだまだ続く。

《続く》

 

 

 

 

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