前回も閲覧者が増えたので、今回も研修講師について書きます。講師の内面についてです。
企業人向けの研修講師が増えているようです。セミナー講師を養成する講座もあります。企業や組織で仕事をしながら、講演活動をしている人もいます。
今や講師業は、人気の職業のようですね。
「人前で話をするのが好き」「カッコいい」「自分のキャリアを活かせる仕事をしたい」「会社員より収入が多そう」「独立して自由に生きていきたい」
それぞれ、講師を目指す動機があるのでしょう。
人気の職業といっても、講師業で生きていくことは簡単ではありません。それは、研修会社に所属しても独立しても同じです。講師が増えれば、供給過多となり競争が激化するのが市場原理というものです。
市場原理といえば、コロナ禍の今の状況が長引けば、職業講師の数は確実に減るはずです。
さて、あなたが研修担当者または受講生ならば、やる気のある講師から学びたいでしょう。講師業に限りませんが、サービスを提供する側がやる気もなく、印象が悪ければ仕事になりません
そんな講師はいないはずですが、打合せや研修でそのような表情や態度が見られたら、依頼はなくなるでしょう。
何が理由か知りませんが、そんな講師は論外なので話題にしません。
講師のモチベーションの源には、3つの欲求があります。その欲求を満たすことが動機付けとなり、寝る間を惜しんで準備をして研修に臨みます。
私の考えでは、『自己顕示欲』『承認欲求』『オーナーシップ(所有欲)』を満たそうと頑張っているのではないでしょうか。
『自己顕示欲』は、多くの人に自分を見せつけたいという気持ちです。セミナーや研修で注目を浴びて、自分の存在や話術、研修進行に注目させ、自分の知識や能力をアピールしたいという欲求です。
『承認欲求』は、多くの人に認められたいという気持ちです。自分の講義や指導を受け入れてもらい、理解、納得、感動、感謝してもらいたいという欲求です。
『オーナーシップ(所有欲)』は、自分が主体となって責任をもって取り組みたいという気持ちです。
自分が開拓した顧客の案件や自分が直接依頼された研修は、「自分を指名してくれた。」「自分を頼ってくれてる。」「自分が何とかしてやる。」とオーナーシップを感じて頑張るものです。
サブ講師や頼まれ仕事、ワンポイントで部分だけを担当する場合は、オーナーシップは感じにくいものです。(だからといって、「手を抜く」という意味ではありません。)
講師によって違いますが、どれも講師業の「やりがい」に繋がるものです。
しかし、『自己顕示欲』、『承認欲求』は、あくまで講師満足。『オーナーシップ(所有欲)』は、顧客満足につながるような気がします。
私の経験からすると、駆け出しは『自己顕示欲』、ある程度経験すると『承認欲求』、実力がついてくると『オーナーシップ(所有欲)』が強くなるように思います。
(全ての欲求を永遠に求める講師もいるかも知れません。講師は、年齢を重ねても若々しくて元気といわれますが、それは欲が強いからでしょうか。)
「今回の講師は、よい講師だったなぁ。」と思われたら、欲求を満たすような「ほめ言葉」を投げかけていただければ、次回はもっとよい研修をしてくれるに違いありません。
《以上》
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