健全度とは、何か。健全度を2つに分けて考える。一つは、「経営の健全度」がある。
国内の金融機関であれば、自己資本比率が4%以上であれば健全経営といわれる。自己資本比率は経営の結果であり、経営者が最も注目している指標の一つである。
もう一つは、「組織運営の健全度」である。「組織運営の健全度調査」では設問に対する1~5の回答のうち3,5ポイント以上を健全としている。
組織運営の健全度は、経営結果の過程を示す指標である。経営は、健全な組織運営によってよい結果が出ていることが望ましい。
組織運営が不健全で結果が悪いという経営がある。この状態はむしろ正常で、組織運営を健全化することによって結果がよくなるので、分かりやすい。
組織運営は不健全だが、よい結果が出ていることもある。この状態は異常でかなり無理をしてまたは不正によってよい結果が出ている(に、している)可能性がある。
組織も人もある程度の対応力や耐久力があるので短期的には耐えられるが、この状態は長くは続かない。いづれ組織も人も耐えられなくなり限界を超えたときに不正が発生する。
不正の前に健全化に取り組めば未然防止になり、不正が発覚した後なら再発防止に取り組むこととなる。
どちらの取組みが、低リスク・低コストだろうか。