PDCAサイクルは、社員教育を受けた者なら、だいたい知っているだろう。一般的にデミングが提唱したと言われている「仕事の管理法」「継続的な改善方法」だ。※デミング・サイクルともいう。
Plan(計画)⇒ Do(実行)⇒ Check(評価)⇒ Action(act:改善)を継続的に循環させ、改善を図る。
新入社員研修でも管理者研修でも学習する項目だ。しかし、知っていることが重要なのではなく実践することが重要だ。
ちなみに、新入社員は仕事の進め方として、管理者には仕事の管理の進め方として学ぶ。
さて、標題にあるPDCAサイクルの「最も重要な段階」は、相対的にいって「Acton(改善)」だ。仕事の始まりが「計画」であることは、わかっており上司にも説明を求められるし、部下にも伝える。
「実行」は、仕事そのもので、みなやっている。仕事が終われば結果が出るので、上司が評価する。自分でも、だいたい判断できる。
仕事は続くので、一仕事終われば、次の仕事が重要だ。今回の仕事がうまくいったなら、次はもっとよい結果が求められる。
今回、うまくいかなかったら、同じ失敗は許されない。次はどうしたらよいか考えなければならない。
なぜ、同じミスを繰り返すのか。なぜ、目標未達が続くのか、なぜ、新規事業はことごとく失敗するのか。すべて、「Acton(改善)」の段階をおろそかにしているからだ。
毎日、毎週、毎月、毎年、何年も仕事をしていれば少しづつでも当初より改善されるだろう。それが、「経験」の蓄積による成熟であったとしても、効率が悪すぎるのではないか。時間が掛かりすぎるのではないか。
なぜ、人の成長に大きな差があるのか。多くの場合、「経験」すれば自ずと熟練すると考えるが、成長が遅いビジネス・パーソンや実績が上がらない事業は明らかに「Acton(改善)」の段階に問題がある。
失敗したら、「終わったことは仕方ない。気にしないで、次いこう!」それでは、次も失敗で成長はない。
なぜ、そうなるのか。「論理的に考える力」が不十分なため、失敗の原因も考えられず改善策もつくれないので、「Acton(改善)」の段階を放棄してしまう。
失敗の経験が次回の計画にも活かされない。結局、Do(実行)⇒Do(実行)⇒Do(実行)でPDCAが循環しない。
「Acton(改善)」の実践項目は、以下の通り。Check(評価)の後の段階で
1.計画と実行の差異を分析する
2.原因を究明する
3.改善策を検討する
4.改善策を決定する
5.次回の計画に活かす
⇒項目を覚えても実践がなければ、企業人教育の意味はないので、体験的な研修で身につけた方が確実だ。
プロジェクトのPDCAを外部のコンサルタントと一緒に進めるのもよい。
明日から下期が始まる。上期6ヶ月でPDCAサイクルが1回転した。上期の「Acton(改善)」の段階を経て、下期事業計画は改善されているか。
下期は、1日で1回転、1週間で1回転、1ヶ月で1回転させ、細かく進捗管理をしましょう。今日より明日、今週より来週、今月より来月と改善を進め、6か月後の3月末には、今期の目標を達成しましょう。
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